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高松高等裁判所 昭和35年(く)7号 決定 1960年6月14日

少年 J(昭一五・六・二生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は記録中の少年本人名義の抗告申立書記載の通りであるからこれを引用する。

論旨は少年は本件非行の外にまだ詐欺、無銭飲食の非行があり、加えて本年六月二日を以て成年に達したので、右も併せて刑事処分を受け過去を清算したいから検察官に送致せられたいというのである。

記録を検討するに、少年は、先に昭和三十三年八月五日松山地方裁判所宇和島支部において暴行、傷害、脅迫、強姦(輪姦)の非行により中等少年院に、次で昭和三十三年九月二十五日高松家庭裁判所で傷害の非行により特別少年院に夫々送致せられ、続いて翌三十四年十一月二十五日宇和島簡易裁判所で傷害、暴行罪により罰金六千円に処せられながら、未だ非を改めることなく又々友人と本件事案を起したもので、少年の資質、前示非行歴、交遊関係、保護者の保護能力等記録に現れた諸般の事情を綜合すると、少年に所論のような詐欺無銭飲食の非行がありとするも、その不良性癖を矯正するためには一定期間少年院に収容して適正な矯正教育を施すのが最善の途と考えられる。従つて原決定の執つた特別少年院送致の措置は相当である。

よつて論旨は理由がないので少年法第三十三条第一項により主文の通り決定する。

(裁判長判事 三野盛一 判事 渡辺進 判事 小川豪)

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